最初は、素人がエロい動画を作って販売することができるということに感動して始めましたが、紆余曲折ありました。もともとAVが大好きでした。いつかは出演してみたい、作ってみたいなんて思っていました。そしたら時代は進み、素人が作成したAVが販売できる時代に。でも、まあ、実際は、いろいろトラブルが絶えないというのも事実ですが。
私たちも、当時、偶然であったAVに出てみたいけど、本格的なのは、ちょっとという女性と共に素人AVを作ってみることになりました。最初は本当に試行錯誤でした。照明やカメラの技術から学び始めました。風営法の許可を取るのに警察に行って、いろいろと話を聞いたり、せっかく撮影しても、真っ暗で使えないということも。
このころたいへんだったのがモザイク処理。もちろん違法な無修正が大量に売られている素人動画販売の世界でしたが、やはりルールは守っていこうということでモザイクはきちんと入れました。入れるのはいいのですが、これがまた、たいへん。びっくりするくらいの時間がかかります。もう一日中、モザイクのことを考えていて、ノイローゼになりそうに。なるべくモザイクの少ない撮影なども工夫しましたが、それでもモザイクはたいへんです。
それともうひとつ大きな問題が。モザイクをかけた作品は売れない。まあ、そうでしょう。無修正がこれだけ売られていたら、無修正のほうを買いますよね。苦労してモザイクをかければかけるほど売れなくなる。無修正で出せば、編集も、めちゃくちゃ楽になるし、めちゃくちゃ売れるようになることは、わかっています。どうせ捕まりゃしない。制限速度をちょっとだけ超えているようなもの。何度も無修正販売に手を出そうかと考えましたが、結局、思いとどまりました。いまだに、この正直者が馬鹿を見るシステムは、おかしいと思っています。インターネットの時代、日本も国際標準にするべきだと。そうなることを願っていますが、そうはならないので、撤退を考えていたところで、フェチ映像の世界を教えていただきました。
この分野、とても我々にフィットしました。もともとフェチな仲間の集まりです。急速にフェチ映像に舵を切り、撮影を始めました。そしたら、面白い！！この分野は、深くて、撮影すればするほど、新しい世界が見えてきて面白いです。それに、我々のフェチ映像を買っていただけるファンの方も少し出てきて、とても制作が楽しくなってきました。フェチに近いところでＭ男がいたので、Ｍの世界の撮影もはじめました。
フェチの世界で良いのは、素人の女性が参加しやすいということもあります。女性にとっても「からみ」はたいへんです。ましてや素人の女性なら。それでもフェチでしたら気軽に参加してもらえる。からみでもＭ男を虐めるくらいなら、興味を持ってやってもらえる。ということで今の形に落ち着いています。ということなので、こちらの作品に出ていただいている女性は、明記されていない限り、みなさん素人の女性です。だから顔出しＮＧが多いです。どこかにも書いたと思いますが、我々制作スタッフ自体が、病気や障害で普通に働き辛い仲間の集まりです。実は、女性も同じように働き辛い世の中で、その両者が、うまく合うところとして機能していきたいと思っています。